革のお話
慌てて半袖を引っ張り出したくなるような暖かさの昨日と比べて
今日はしとしとと小雨ふる木曜日となりました。
怒涛の衣替えお洗濯は一旦おやすみ。
さて、革のお話を少し。
革のうんちくや専門的な詳しい解説は、素晴らしいサイトが沢山あってそちらにお任せするとして、ここではちょっと別の角度から想うことを綴りたいと思います。
LEATHER DE MO-JAHではタンニンなめし革を使用してさまざまな革小物を作っていますが、ひと口に革といっても出どころは様々でお家柄によって扱いや値段も変わってきます。
有名なタンナーの作る人気のブランド革もあれば、扱いやすい量産型の革、外国産もあれば国産もある。
また、ほとんど市場に出回らないようなお客様の要望から一枚づつ作るサンプル革などもあります。
このサンプル革はお客様の用途や細かい要望に合わせて作られますが、もちろん一回で要望通りの仕上がりになることばかりでは無いので使われずにお蔵入りなんてこともしょっちゅうです。
以前革鞄メーカーにいた頃、そんな日の目を見ないサンプル革が勿体ないし使われないで丸められているだけなんて忍びないなぁ、、とずっと想っていました。
あくまでもそのお客様の要望には合っていなかったってだけで、革自体にはなんの問題もないものばかりですし、キズやトラなどが目立つとかよく見ると染めムラがあるとかそういう理由なら個人が作品を作る上で、むしろ個性的で面白いものが生まれる!って感じるんですよね。
まぁそこは考え方次第なんでしょうが、、、
これってまさにスーパーに並ぶ野菜と同じだなって想うんです。
サイズが大きい、小さい、曲がってる、傷がある、色が他のとは違うところがある。
そうやって規格外の野菜って市場に出回らないじゃないですか。
食べたら美味しいし味は他と変わらないのに、見た目の問題で買ってもらえない。
なんか、、革も一緒だなぁって。
そもそも(副産物とはいえ)命ある動物からいただいた大切な体の一部。
生きている限り、すり傷も切り傷もできるし肌合いだってそれぞれ違って当たり前。
それは皮から革になったからって変わらないんだってことを、いち作り手として手仕事を通じて伝えて行けたらいいなと想っています。
ですのでLEATHER DE MO-JAHでは、私がそれぞれの作品づくりにこれがぴったり!と感じる様々な革を優劣つけずに採用しています。(もちろん仕入値はそれぞれなので価格にも反映されますが)
どうかな?賛否両論あるとは思いますが、、、
そこは自信を持って◎
革にも色々あるよってお話でした。